大山志保の賞金女王で幕を閉じる今年の日本女子ツアーであるが、国内外共に話題が豊富な良き1年だったと思う。トーナメントの盛り上がりは期待に応える選手の活躍だけではない。足を運んでくれるギャラリーの存在は大きい。大会の雰囲気やトーナメントとしての景色を作るのはギャラリーだからだ。
コースも大会用の設営をするといつもとはまったく異なった顔になる。 そして多くのギャラリーがコースを埋め尽くすとこれまた雰囲気と景色が変わる。 トーナメントにおけるギャラリーの役割は選手同様に大きいと思っている。
トーナメントの華やかさナンバーワンと言われるオーガスタ・ナショナルで行われるマスターズ、そのギャラリー(マスターズではパトロンと言う)の多さは半端ではない。 丁度10年前になるが、いつもテレビで見ているマスターズを実際に見てみようと出かけた。 コースに一歩足を踏み入れた時の驚きと感激はいまだに薄れていない。 練習日にもかかわらず、コースのあちこちでギャラリーがまるでモザイクのように景色に同化していた。
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本戦のチケットが手に入らない人は水曜日のpar3コンテストと練習ラウンドを観戦に来るオーガスタ・ナショナルにて著者撮影 |
選手のプレーを見る前にギャラリーの多さに感動してしまった。 マスターズの会場設営の演出力(全ての設営物がマスターズカラーのグリーンで統一、電気カート・TVのやぐら・ゴミ袋など)も見事だが、ギャラリーに舞台を作らせてしまうマスターズの運営が素晴らしい。世界のトッププレーヤーのプレーを目の当たりにする感動と共に、その会場にギャラリーとしていること自体に満足感を味合わせてくれるトーナメントである。
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練習グリーンでのグレッグ・ノーマン(右)とブッチ・ハーモン(左、タイガー・ウッズのコーチ)オーガスタ・ナショナルにて著者撮影 |
マスターズを引き合いに出したら他が太刀打ちできないと関係者は口にするが、トーナメントはそれぞれのポリシーと個性を尊重して貫いていくことが大切でみんなが同じになることはない。金太郎飴ではつまらない。共通して言えるのはギャラリーに支持されるトーナメントは素晴らしいと言うことだ。
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