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第16回 女子プロツアーとYS-11

2006.10.14
40年以上活躍した国産旅客機YS11が多くのファンに惜しまれながら先月で姿を消した。
私たち女子プロゴルファーもずいぶんお世話になった飛行機である。 そして心に残る思い出がいくつかある。
YS-11旅客機(航空公園駅前にて撮影)

女子プロのツアーの移動は、いろいろ詰め込んだゴルフバックと大きなスーツケース計30キロ近い荷物を共にするので、宅急便が無い時代は大変だった。

この荷物の重量は周りの人達にもかなり迷惑をかけていた。
YSで女子プロと一緒に乗り合わせたら悲劇である。
エリエール女子オープンは香川県財田にあるエリエールゴルフクラブで当初開催され、関東からも関西からもみんなYSを利用して高松に向かった。悲劇は搭乗し席に落ち着いてからやってくる。機内アナウンスで「この飛行機、重量オーバーのため離陸できません。これからお呼びするお客様は次の便をご利用下さいますようお願い申し上げます」となるのである。

これを聞いて真っ先に我が女子プロゴルフ協会の事務局長が申し訳なさそうに名乗り出る。我が団体のために出る犠牲者を1人でも少なくするために先駆けての行動である。
呼ばれるのは割引券の利用者やスカイメイトの人達で、空席があるのに降りなくてはならない心境を考えると本当に申し訳なかったと思う。

当時の荷物を再現、こんなスーツケースとゴルフバックを担いでの移動だった


また、有視界飛行も行うYSは天候に左右される事が多くトラブルも少なくなかった。
ある時も欠航となり、いつ飛ぶか分からない飛行機を待つか、新幹線と船を使って確実に高松に入るかの二者選択を迫られ、私は確実にその日のうちに入る新幹線と船を選んだ。
現会長の樋口さんをはじめ何人かはいつ飛ぶか分からない飛行機を選んだ。


新幹線組は重い荷物とともに東京駅に向かい岡山まで行き、少し移動して宇高連絡船で高松に入りコース近くの宿舎に着いたのは日が暮れてからだった。一方飛行機組はその後すぐに出発し、ハーフラウンドの練習まで出来たと聞いた。
自分の選択に悔しい思いをしたが、「まっ、いいか」としぶしぶ受け入れた、懐かしい思い出である。

 
次回更新予定:2006年10月21日

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