先週行われた国内メジャーの日本女子オープンは韓国の張晶が、最終日もスコアを伸ばし2位に5打差をつけ優勝を飾った。
宮里藍の女子オープン二連覇、また帰国後の三連続優勝が期待されたが、ディープインパクトもそうだったようにそんなに絵に描いたように上手くはいかなかった。
大会後、敗れた宮里が「米ツアー8位と21位の差だと思う」と言っていたのは印象的だった。世界のプロゴルファーが集まってくる米国LPGAツアーで上位に位置することは容易ではない。プレッシャーのかかった中で崩れない安定したスイングが出来る精神面の強さ、グリーンでの冷静な読みとストロークなど、自分が培ったものをきちんと出せるかが勝負となる。例えそれが出来たとしてもそれ以上のプレーヤ竏窒ェいれば頂点には立てないのだから厳しい。
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優勝トロフィーにキスをする張晶 写真提供:(財)日本ゴルフ協会 |
ゴルフのスコアに限りはない。 限りはないが、可能性として全てのホールでバーディーなら54と言うことで、スウェーデンのナショナルチームが目標に掲げたのが54ビジョンである。 とてつもない目標に向かうことで自分の可能性を大きく高く引き上げられるからだ。 バーディーやイーグルはグリーンをどう克服するかにかかってくる。 勿論グリーンまでのショットに問題があれば遅れをとることは言うまでもない。 トッププレーヤーになればなるほど、勝負はパッティングにかかってくる。
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写真提供:(財)日本ゴルフ協会 |
パッティングは技術の裏づけの元に冷静さと思い切りが必要である。 ラインへの信頼と自分への信頼である。 張のパッティングフォームは癖がなくスムーズで美しい。 具体的には身体の軸がしっかりして腕全体が左右対称に動き、ストロークが一定でなめらかである。なめらかに見えるのは左腕がきちんと右手に対応して動いているからで、左手は打ち出すラインをしっかり維持するマシーンの役割として大切である。 ぴたりとピンに近づけたショットを生かすにもパッティング、長めについたショットを救うのもパッティングなのだ。
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ラインの読みもぴったりだった3日目の宮里藍
写真提供:(財)日本ゴルフ協会 |
4日間を通して決めなくてはいけないパーパットをほとんど決めた張、ボギーを打たない強さが底力と言うものなのかもしれない。 基礎練習を積んだ人のパフォーマンスは、緊張した場面で通常出来ないようなことも可能にするものだ。簡単そうに見えるスムーズなストロークを会得するのに、単純で簡単な練習を飽きずにどんなにか積んだことだろう。
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